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@製麦(モルティング)モルトウイスキーの原料‘モルト’とは大麦麦芽のことで、これは二条大麦が発芽した状態のものです。現在はこのモルトはモルトスターと呼ばれる専門の製麦業者から仕入れる蒸留所が多いのですが、写真のラフロイグ蒸留所などでは、伝統的なフロアモルティングという方法で自家製麦しています。フロアモルテイングとは2日間程水に浸けた大麦を写真のように床に広げ、1〜2週間木製のシャベルのような道具を使って攪はんさせながら平均的に発芽させます。 |
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この発芽によってデンプンを糖質に変える酵素が生まれます。 このまま発芽が進むと肝心の糖分が失われてしまうので、ピートや石炭などの煙で燻蒸し、乾燥させて発芽を止めます。 |
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A糖化(マッシング)次に、以上のような方法で作られたモルトを粉砕し‘マッシュタン’と呼ばれる大きな容器に移され、熱湯を加えて攪はんし、麦汁(ウォート)を作ります。 (写真:ラフロイグ蒸留所のマッシュタン) |
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B醗酵(ファーメンテーション)濾過して得られたウォートは‘ウォッシュバック’と呼ばれる醗酵桶に移され、イースト菌を加えて醗酵が始まります。 (写真:ラガブーリン蒸留所のウォッシュバック) |
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イースト菌の作用によって糖分をアルコールと炭酸ガスに分解して、アルコール度数8%程度のビールのような醸造酒ができます。この匂いは嗅ぎなれたビールのものとは似つかない強烈なもので、深く吸い込むと息が出来なくなってしまうほどの刺激臭があります。ここで得られたものをウォッシュと呼びます。 (写真:カリラ蒸留所のウォッシュバック内部で醗酵が進んでいる様子) |
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C蒸留(ディスティレーション)ウォッシュをポットスティルと呼ばれる銅製の蒸留釜に移して、いよいよ蒸留が始まります。蒸留とは水とアルコールの沸点の違いを利用してよりアルコール度数を高める工程です。ポットスティルは蒸留所によって大きさも形状も実に様々で、この違いによってもウィスキーの風味に変化が出ると言われています。 (左図、上から順にマッカラン、ベンネヴィス、ラガブーリンのポットスティル) |
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この蒸留は通常2回行われ(ローランド、アイルランドなど一部の地域では3回)それぞれウォッシュスティル(初留釜)、スピリットスティル(再留釜)と呼ばれる若干形状の異なる蒸留釜で行われます。1回目の蒸留を終えるとアルコール度数約20度のローワインが得られ、さらに2回目も同様に蒸留を行い、ここで得られる蒸留液の最初の部分をフォアショッツ、中間をミドルカット、最後の部分をフェインツと呼んで区別しますが、フォアショツとフェインツは状態が良くないため使用されず、ミドルカットの部分だけを選別します。これはスティルマンと呼ばれる職人がスピリット・セーフ(金庫)とよばれる器具の窓から流れ出る蒸留液と比重計を見ながら、彼らの鋭い目と経験に基づいて選別されます。 ここで使われなかったフォアショッツとフェインツは再びローワインとともに次回の蒸留に回されます。 (写真:左図、上がマッカラン、下がカリラ) |
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D熟成(マチュレーション)2回の蒸留を終えて得られた液体は、スピリット・セーフの写真からも分かる通りまだ無色透明の液体で、ウィイスキーとは呼べずに‘ニューポット’と呼びます。これは、スコッチウィスキーの名を名乗るには最低3年間の樽熟成が法律で義務付けられているためで、これからこのニューポットは樽に詰められて長い眠りに付くのです。 (写真:ラフロイグ蒸留所の樽詰めの様子) |
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スコッチウィスキーの熟成に使用される樽はバーボンやシェリーの熟成に使用した再利用樽が用いられるのが一般的で、この樽の種類によってウィスキーの色や風味に大きな違いが生じます。 また、樽の種類だけでなく熟成させる環境もとても重要で、例えば海に面して絶えず海風に洗われる場所に熟成庫のあるラフロイグ蒸留所では、塩味や磯や海草の香りを感じる力強いウイスキーが、マッカラン蒸留所に代表されるスペイサイドの穏やかな山間で熟成されたウイスキーからは、まろやかな優しい口当たりのウィスキーが生まれます。 このように、シングルモルト・スコッチウイスキーというのはスコットランドの自然にはぐくまれた長い眠りから覚め、それを他の蒸留所で作られたものと一切混ぜることなくボトルに詰められたウィスキーなのです。そしてそのウィスキーをグラスにそそぐと、素晴らしい香りとともにスコットランドの情景が広がります。 (写真:左図、上がラフロイグ蒸留所、中央・下がマッカラン蒸留所) |